蛇神はたくらみ龍神は斬る (13)蛇神のたくらみ

カテゴリー/ その他 |投稿者/ カウンセリングルーム「桜」
2018年12月16日

 

蛇神のたくらみ

 

 ここまで書いてきて、メッセージ性の強い夢を見た。それは自分が人柱となって池の底に沈められている夢だった。目が覚めてもずっと考え続けた。このイメージには覚えがあったのだ。以前誰かから聞いた話に、備後の服部の大池には、昔、若い娘が人柱として埋められたという。夢の中では、その埋められた娘が自分なのだった。そして、その上に大きな柱が杭として立っていた。

 人は自分に関係ないことをイメージ出来ない。ということは、私の中に人柱にされたような被害者の感情があるということになる。思考が現実化するこの世に、偶然はないのだ。

 そういえばその話を聞いたばかりのときも同じような夢を見たことを思い出した。とんでもない被害者意識が今も自分の中にあるということのようだ。自分が誰かに踏みつけにされ、今も日の当たらない場所で身動きできない状態にあるということを意味しているのだから。この思考を修正しなければ、地表(表舞台)に出ていくことは出来ない。

 

 私は夢とうつつの間で、必ず蛇を穴から引きずり出してやると決め、考え始めた。

 私を踏みつけにしている柱はどう考えても父だった。私はどうやら小さい頃、父に踏みつけにされたと感じる出来事があったようだ。具体的には思い出せないが欲望を止められた記憶が蘇る。ものを買ってもらえなかったとか、塾に行かせてもらえなかった、そんな誰にでも一つや二つはあるような思い出だった。

 フラクタル心理学は、100パーセント思考は現実化するという一元論だ。つまり、親も先祖も自分の思考が創り出したと考える。こう聞くと荒唐無稽に思えるかもしれないが、思考のエッセンスがフラクタル構造で現実化していることが見えてくると、実際その通りだと次第に納得がいくようになっていくのだ。

 私が郷里の古い歴史について書いた部分を思い出してほしい。金山銀山で栄えていたが、室町時代に落盤事故で鉱夫が何十人も埋まったままだと書いた。実はこれも私の思考なのだ。つまり私は、贅沢が好きで、一攫千金を夢見るような、刹那的な欲望の持ち主の自分を(自分の思考を)地中深くに埋めているのだった。

 エッセンスの相似形(フラクタル)は他にも見て取れる。実は、病気で亡くなった実家の祖父の父親は賭け事にハマり、借金を抱えたまま、祖父がまだ3歳の頃に北海道に追放されている。家の前も裏の畑も向かいの山も、すべて借金のカタにとられていたのを苦労して取り戻したのだとは、祖母に聞いた話だった。これは、登場人物や時代背景が違っていても、実は自分の脳の中にあるパターンを拡大投影して見ているのだ。

 つまり、私は人一倍欲望が強く贅沢で遊び好きな自分を、父親を杭にして地中深くに埋めているのだった。その杭がなければ、夢ばかりみて働こうとせず欲望のままに散財し、借金を重ねるような意志の弱い人間が表に出てくると知っているのだ。地中に埋めたのは自分自身なのだが、父に踏みつけにされたせいだと思っている限り、そんな自分を認めなくて済むのだった。「父のせいで」という被害者意識があるから渋々働いているが、父がいなければ働こうとさえしなかっただろう。

 自分の中にあるパターンは、やたらと気になるニュースを見ると分かりやすい。2年前オリンピック目前で、賭博が原因で無期限謹慎になったバトミントン選手のニュースを見たとき、自分の感情が大きく動いた。このとき「LDP」をやって、自分の中にこのパターンがあることに気がついていた。その後何度も思考修正を重ねてきたが、最近その選手は、以前の弱点を克服して見事な復活を果たし、世界ランク1位に返り咲いて素晴らしい活躍をしている。謹慎期間にたゆまぬ努力を重ねて、自分自身の弱さに見事に打ち勝っている彼の姿を自分のことのように喜ぶ自分がいるのは、もちろんそこに未来の自分を重ねて見ているからだ。人は自分の脳を通してしか外側を認識できない。他人事といえどもそこに感情が動くとき、自分自身のことを見ている。

 子どもの脳(感情脳)はもともと遊び好きだ。消費することしか考えられない。自分が稼ぐことはⅠミリも考えず、お金は親からもらうのが当たり前になっている。だから、稼ぐ人の気持ちが理解できず、使うことだけを考えるのだ。つまり、賭博にはまるような人の思考は、お金のありがたみ=親の愛がわかっていない人だと言える。そういう人は、お金は汚いものだ、とか、お金持ちには碌な人間がいないと思っている。平気でお金をどぶに捨てるような行為(いらないものを買う、賭け事、騙されて損をする)をし、消費するばかりでお金を活かすことができない。

 お金には親の愛が詰まっている。親は楽しい、とか、面白い、というような自分の子ども心を満たす為に仕事をしているわけではない。そもそも子ども心では仕事にならない。子どもを育てる為にはお金がかかり続ける。やれ大嫌いだ、疲れた、面白くない、そんな感情(子ども心)を使ってばかりいては仕事を続けられないのだ。だから、感情(子ども心)を殺して仕事に励む。子どもは、そんな日頃感情を押し殺して頑張る父親を、笑ってくれなかった、褒めてくれなかった、と感情脳で恨んでいたりする。これは、日本人が日本語しか理解できないように、子ども脳(感情脳)は感情表現しか理解できないからだ。父親が日夜感情を押し殺して働くのは家族の為なのだが、理性脳が育っていない子どもは、理屈を言う父親を感情が薄い=冷たい人だと判断し、母親のように身近で絶えず世話をしたり、声を掛けてくれたり、笑ってくれない父には自分への愛がないと思ってしまうのだ。だから、平気でお父さんなんか邪魔だ!と考えたりする。そのせいで父親の愛(=お金の価値)がわからない人間になってしまうのだ。

 私は父親の愛が分かっていなかった。自分がいつも消費する方を選ぼうとするから、その自分を養う為には猛烈に働く人を周りにつくる必要があったのだ。だから自分の人生に、いつも休日も返上して働き続ける人を見続けていたのだった。そして、表層意識では「そんなに働くから病気になるのだ。」と意味付け、自分は遊ぶ方を選んで家族が病気にならないようにバランスをとっている気でいたのだから、子ども心には恐れ入る。だから、いざ自分が働こうとすると、昼夜も休日もなく働かされると思うから(自分がそうやって周囲を働かせていたから)仕事に没頭するのが怖くなるのだ。それだけではなく、どんなに頑張ったとしても、自分の働きを認めることができないのだった。

 

 

 

 何度も言うが、感情脳は子どもの脳なのだ。なので、大人になっても感情を使う人ほど人生は山あり谷ありのジェットコースター人生になっていく。最初のうちはそのスリルを楽しむ余裕があるが、感情を満たすことだけに夢中になるうちに、手に負えない出来事を創り出す。子どもやペットを天使のように無垢で可愛いと思っているなら、感情脳の修正すら出来ないだろう。正義はそちらにあると信じ込んでいるからだ。だが実際は違う。残酷なのは子どもであり、無垢のほうなのだ。無垢が良いものだと思っていると、無垢であり続けようとする。それは敢えて無知であり続けようとすることなのだ。親をどんなに働かせても、傷つけても、親なら我慢して自分を養うのが当り前だと思っている。それは自分がそっち(養う)側に回ったことがないから、その痛みがわからないのだ。そして、出来れば永遠に回りたくないと考えている。だから大人になっても無垢な子どものままでい続けようとするのだ。だが、それは成長しようとしないことに等しい。

 子どもは楽しいことが好きだ。一度面白いと熱中すると自分しか見えなくなる。相手の嫌がる姿を見て楽しむ残酷さも、視野の狭さからだ。ちょっとからかっただけのつもりがエスカレートしていじめにまで発展し、ちょっとスリルを楽しんだだけがストーカーになっていく。だが、本人はさほど酷いことをしたとは思っていない。それは子ども心の延長上だからだ。子どものときは当たり前にやっていたが逮捕されたりしなかった。もっと刺激的な感情を味わう為に行動がエスカレートしていくのが子ども脳(感情)の特徴なのだ。なので、無垢な子どものままで生きることは自分の首を絞めることになる。そのうち知らないでは済まされない事態を創り出すからだ。

 

 もしも、あなたに大嫌いな人がいて、そいつのせいで○○出来ない!といつも腹を立てているとしたら、

あなたは、深層意識を正しく翻訳できていない。

 

 本当は、あなたはその嫌な奴の、まさにその嫌な部分が大好きなのだ。だから、人生で何度も同じような嫌な人物を身の回りに創り出す。むしろ、その人物がいないと困るのだ。その嫌な人物がいるおかげで、自分の人生に集中して本当にやるべきことから、納得出来る理由をつけて逃げられるのだから。本音はまったく別のところにある。バカに出来る(傲慢でいられる)。会社を辞める理由が出来る。(怠慢でいられる)人のことで悩んでいると頑張っている気がする。(自分自身を誤魔化せる)等々

 あなたが本当に嫌っているのはその人物ではなく、悪者を創り出すことで今やるべきことから逃げる卑怯な子ども心(感情脳)なのだ。もし、嫌な奴を創り出さなければ、その攻撃の矛先は自分に向かい、真実に対峙しざるを得なくなる。だから、必死に子ども心(感情脳)は自分自身を誤魔化し続けるのだ。

闇龗の一の降りで修行する修験道の僧侶

 

 

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