2020年1月

蛇神はたくらみ龍神は斬る (31)最終章

カテゴリー/ その他 |投稿者/ カウンセリングルーム「桜」
2020年01月07日

 

(31)最終章

 しばらくは、自分の中からインナーチャイルドが姿を消してしまったかのようだった。これまで自分を動かしていたワクワクするエネルギーや、自負というものが消えてしまった。華やかな色彩がある感情の世界から抜け出て無色透明の無機質な世界にいる気分だったが、そのせいで自分にとって当たりまえだった神職62代という、自分の骨格だと思っていたことさえ思考パターンだったのだと気がついた。ドラマの水戸黄門のように、神職62代を印籠の様に掲げて、世間に「はは~」とひれ伏してほしい、それをもって世間を渡り歩きたいという、傲慢な思考があったから社会に出ていくのが怖かったのだ。いつまでも穴の中に籠っていたい最大の理由が、それだったのだと気がついた。

 「特別な存在」という思いは、それほどまでに強く私の人生を支配していたのだった。末子に生まれ、「まだ小さいから」と特別扱いされたことが、この勘違いの思考を余計に深めたのだろう。それがわかれば龍も神話も伝説も、もう必要なかった。このブログを書き始めた頃の、遠くの花火に憧れる感情や、幻影への焦りは消え、やっとコツコツと能力を積み上げ、自分の足元の現実を動かすことだけに興味が動き始めた。

 

 それにしても、これまで散々インナーチャイル脳にダメ出しばかりしてきたが、インナーチャイルドは完璧に望み通りの人生を私に与えていた。いつでも読みたいだけ本が読め、片手間に漫画を描き、好きな趣味の生け花や園芸を楽しみ、芸術に日常的に接して、毎年海外のリゾートホテルで家族とともにダイビングを満喫し、経済的な不安を感じることなく、芸術家としての地位のある義父を中心にユーモアと笑いのある家族と複数のペットに囲まれた生活。小さいときに憧れた生活を完璧なまでに手に入れていた。それでもそんな生き方に満足できず、次の新しい生き方を模索していた私にフラクタル心理学を現実化したのだから、完璧で非の打ちどころがなかった。このブログを書いたことで、自分のアイデンティティまで失ってしまったと感じた瞬間もあったが、気がつけばなに一つ失っていないばかりか、自分がいかに多くのものを手に入れているかに気づき、唖然とする思いだった。

 

 そう思うと、あれほど修正を繰り返し、ダメ出しばかりしていたインナーチャイルド脳に感謝の念しか湧いてこない。フラクタル心理学で表層意識と深層意識が車の両輪となって人生を創造する新しい脳の使い方を学んだが、むしろ、その主導をとるべき表層意識(理性脳)の働きが全く足りていないじゃないか!とインナーチャイルド脳に申し訳なくなるのだった。

 

 

 小さい頃から自分の内側に神がいるとずっと信じていた。その思いはこれまでの人生で一貫していたが、それを実感することが難しかった。

 

だが、今まさに深層意識は神だと実感していた。

 

 本当は、だれもがインナーチャイルド(子ども心)の望むものをあたりまえに手に入れている。手に入れないでいることを絶対に許さない、と言いかえてもいい。インナーチャイルドとはそういうエネルギーだからだ。もし手に入れていないと感じるとしたら、感情の自分に表層の自分が誤魔化されているだけのことなのだ。心の奥にしまったブラックボックスの蓋をあけて自分の感情を正直に見ることが出来れば、欲しいものは全て手に入れていたことがわかるだろう。

 

 

 私は、深層意識との信頼関係を築くためにこのブログを書いたのかもしれない。一色先生が言われていた「脳がコネクトする」というのはこういう意味だったのだろうか。

 

 フラクタル心理学のいう、表層意識と深層意識が車の両輪となって人生を創造するには、自分(表層と深層双方向)への信頼がなければならないのだ。深層意識の中にブラックボックスがあれば、どんなに頑張っても、いつどんな不幸に巻き込まれるかわからない不安を消せないし、表層意識がグズグズしていては、いつまでたっても夢や目標に向かって進むことができない。

 

 やっとスタート地点に立った気分だった。今よりもっと先を見据えた自分が内側に存在するかぎり、これからも現状の自分への不満は持つだろう。それは成長したい自分がいるかぎり当然であり、むしろ先に進むための原動力なのだ。今はそれを叶える力が内側に存在することを知っている。欲しいものは絶対に手に入れるインナーチャイルドのエネルギーだ。今後は、深層意識に映る本体の自覚をもって「今」を生きよう。そうすれば次々と創造の扉が開き、まだ味わったことがない感動をインナーチャイルと共に味わえるはずだ。

(終わり)

一元でとらえれば、日本神話の岩戸開きとは、自分こそが太陽(すべてを生み出すもと)だという自覚に目覚めることなのかもしれない。

 

 

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